このドラマは、イギリス BBC で『Thirty-Minute Theatre』 (30 分劇場) の 1 エピソードとして 1968 年 1 月 10 日に放送されたものです。60 年近く前にこんなドラマが放映されていたとは驚きませんか? ある年のニュースを事前に計画し、モデルなどを作って偽の映像を撮影し、それをニュースとして報道し、人々に現実として信じさせる。 「ニュースは最も発展した形体のフィクション」というセリフがありましたが、それは私たちの今の現実にも非常によく当てはまるような気がしてなりません。
月面着陸を取り上げていたのがおもしろいですね。実際の月面着陸は 1969 年ということになっていますから、このドラマはそれより前です。水素爆弾や大陸間弾道ミサイルも噓、社会的な運動やトレンド、LSD などの薬物の普及もこの組織の差金で、人々に恐怖を与え、また適度にお金を与えることで世界をコントロールしている…。あまりにも手の内を曝露しすぎてしまってはいないかと思うほどです。そして、世界中のほとんどの人がそんな話を聞いても信じないというというのも、そのとおりだと思います。
もう一つ注目して欲しいのは、次のセリフです。
人々が働くのは金のためではない。金という概念のためです。
愛するのも愛のためではない。愛という概念のためです。
嫌うのも嫌悪という概念のため。
お金はそもそも概念であって、本当の意味で存在するものではないと私は思っていますが、愛ですら、本物の愛ではなく、愛という概念やイメージを人々は追い求めている。そういう状況が現実にあるように思います。
もちろん、このドラマで描かれていることすべてが現実であり真実であるわけではありません。「ドキュメンタリーだ!」と言う人もいますが、そもそもフィクションとして作られたものですし、テレビで放映されたものです。それと興味深いのが、このドラマの動画が出回り始めたのが、ちょうどコロナ騒動の始まった頃だということです。私が見つけた限り、2011 年にアップロードされた 5 分ほどのクリップを除けば、全編のアップロードで一番古いのは 2020 年 1 月 22 日 (archive.org)、YouTube では 2020 年 2 月 28 日。もちろん、私がちょっと検索した結果なので、もっと古いアップロードもあるかもしれません。でも、広まったのは明らかにコロナ騒動の最中です。このタイミングに何か意図的なものを感じてしまうのは否めません。
それでも、この動画は注目に値すると思いますし、現在の状況と照らし合わせて見るとおもしろいです。