誰を信じるのか

投稿者: | 2022-10-30

1、2 ヶ月前ぐらいまで、「ウイルスの存在は証明されていない」チームの人々の間で、プールニマ・ワグという人のことがちょっとした話題になっていました。彼女のことが話題になり始めたのは 7 月ぐらいだったと思いますが、実際に研究所で微生物学の実験や試料の分析などをやっているとのことで、コロナ患者の体液試料にウイルスは見つけられなかった、ワクチンに mRNA は入っていない、などと発言したことで一気に注目を集めました。これが本当だったら、反コロナ、反ワクチン派の人々にとっても、「ウイルスの存在は証明されていない」チームの人々にとっても、非常にプラスになるわけです。リー・メリット医師が彼女をインタビューしたのですが、「私がこれまでにやったインタビューの中で一番重要だと思う」と言っていました。それを聞いて、見とかないとな思っていたところに、エリック・コポリーノというジャーナリストが「プールニマ・ワグは偽物だ」という記事を出してきたのです。エリック・コポリーノは、40 年近く調査ジャーナリストとして科学詐欺を暴いてきた人で、「ウイルスの存在は証明されていない」チームの人でもあります。プールニマ・ワグはロンドン大学衛生熱帯医学大学院で博士号を取ったということですが、エリック・コポリーノによれば、学校はそんな記録はないと言っており、博士号をとったときの論文も見つからない、ということなのです。それで議論に火がつき、それに追随する形で彼女を批判する記事がほかにも出たかと思うと、今度はエリック・コポリーノを攻撃する記事が出たりして、騒然とした状態になりました。世界中の保健機関に情報公開請求をしているクリスティーン・マシーや、Viroliegy のマイク・ストーンも彼女とコンタクトを取っていたようで、これに関してインタビューを受けており、リー・メリット医師も後のインタビューでこれに関してどう思うかを意見を求められていました (彼女はプールニマ・ワグを信じると言っていました)。プールニマ・ワグ自身もそれに関してインタビューを受け、「私を偽物と思うならそれでも構わないから、もう私のことは放って置いて欲しい」と発言していました。今では彼女のことは話題にのぼらなくなりました。

私はこの騒動が何故かとても気になって、上記のインタビューを聞いたり、記事を読んだりしてみました。偽物疑惑が出る前に彼女が受けたインタビュー動画もいくつか見てみました。彼女の言っていることは、「ウイルスの存在は証明されていない」チームの人が言っていることと一致していて、しかも非常にうまくまとめて説明していました。それに関しては、私にとって特に新しい情報はなかったのですが、正直、あまりにも「ウイルスの存在は証明されていない」チームにとって欲しい言葉を言っているなあという印象を受けました。偽物疑惑を読んだ後だったからそう思ったのかもしれませんが。彼女の発言で特に重要だったのは、コロナ患者の試料からウイルスを分離するために、トム・コーワン医師などが主張している正しい方法を使ったのだが、ウイルスは見つからなかった、というものです。アメリカにある普通の研究所で、本当に正しいウイルスの分離精製方法を行っているところがあるのでしょうか。クリスティーン・マシーとマイク・ストーンは、彼女の言っていることが本当だったらすばらしいけれど、その実験をまとめた論文なり報告書なりを読んで吟味してみないことには、単に彼女の言葉だけで信じるわけにはいかない、と言っていました。それが一番懸命な態度なのでしょう。そういうものが出てきたら、マイク・ストーンなどが読んで吟味してみた結果を聞いてみたいものです。ワクチンの成分を分析したとも言っていますが、これについてはさまざまなグループが研究していることなので、比較してみることができると思います。

この時点で、彼女が本物なのか、彼女の言っていることが本当なのか、私には判断できませんが、疑問は確かにあるように思います。

この件で改めて考えさせられるのは、誰かの言っていることをどうやって信頼できると判断するのか、ということです。私たちが毎日得ている情報は、第三者を通しているものがほとんどなので、誰を信用するのかが非常に重要になってきます。政府も主流メディアも有名な科学者も肩書だけで信じることができない中、誰のこともある程度の疑いを持って見ることは大事なのだと思います。でも、だからといって、誰も彼も偽物だ、回し者だ、と疑ってかかっていては、真実に近づくことはできないように思います。

誰を信用するか、何を信じるのかを判断するときに気を付けないといけないと思うのが、まずは自分が信じていることに沿ったことを言われると、「そうだそうだ」とすぐに信じてしまいがちだということ。これは「確証バイアス」というやつですが、自分の聞きたい情報だけを拾い聞きする傾向が人間にはあるのだというこを認識しておかないといけません。今回のプールニマ・ワグのことはまさにそれで、もし偽物疑惑の記事を読んでいなかったら、私もそのまま信じてしまっていたのではないか思うのです。ウイルスに関して私が理解するようになったことを、あまりにもうまくまとめて語ってくれていたので。もちろん、疑惑があるから偽物だということにはならないわけですが、だからこそ慎重にならないといけません。そういう意味で、クリスティーン・マシーやマイク・ストーンはさすがだなと思いました。

それと、その人の人間性とその人が提供する情報は分けて考えないといけないということ。私たちは得てして、自分が好きな人の言うことは信じ、自分の嫌いな人の言うことは否定しがちです。初めて見る人であっても、その人の見た目、話し方などによって、好印象を持ったり悪印象を持ったりして、それが判断に影響します。まったく同じ内容のスピーチも、それを読む人によって、良いと思ったり悪いと思ったりするというような調査があったように記憶しています。もちろん、信用できる人、よく噓をつくから信用できない人はいるわけですが、どんな人も 100% 必ず正しいわけでも 100% 必ず間違っているわけでもありません。好きな人の言うことだから全部信じなければいけないわけでもないし、嫌いな人のいうことだから全部否定しなければいけないわけでもありません。「この人はウイルスを信じているから、信用できない」というようなコメントを目にしたこともありますが、1 つのことだけでその人を全否定するのは短絡的です。

そして、自分が感情移入してしまっている場合は注意が必要です。信用していて好きだった人が、何か 1 つ自分の意見に反することを言ったら、裏切られたと嫌いになって、その人を攻撃しだしたりする、なんてこともあったりします。議論ではなく、その人の人間性を攻撃したり、誹謗中傷したりするコメントもよく目にします。間違った情報を信じているからといって、その人が噓をついているとも限らないし (本当に信じていて、自分なりの真実を語っているのかもしれない)、ひどい人間だということにはなりません。そうやって誹謗中傷したりするのは、その人の評判を落とすためによく使われる手口です。そういうレベルになりさがってはいけない。人だけでなく情報に対しても感情移入して、その情報を信じていることが自分のアイデンティティになってしまたりすることもあります。そして、それに反論されると、自分が攻撃されたと勘違いして相手を攻撃しだす、なんてことも。いずれにしろ、感情的になったら要注意です。自分がどうして感情的になっているのか、内省してみる必要があります。

真実とは何かを追求していると、今まで信じていたことが実はそうではなかったと気づくことは多々あって、その過程で信用する人も変わってきます。「この人すごい!」とかなり入れ込んで聞いていたのに、ある時点でまったく興味がなくなって、まったく聞かなくなってしまった、ということも多々あります。それはそれでいいわけです。その過程で、何が真実なのかを見分ける感覚を研ぎ澄ませていけばいいのだと思います。

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